日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(5)トランスレーショナルリサーチ(5)
トランスレーショナルリサーチとしての臨床薬理学研究
植田 真一郎
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2010 年 136 巻 2 号 p. 107-110

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抄録

トランスレーショナルリサーチは基礎的な生命科学研究から生まれた候補化合物の非臨床試験および比較的早期の臨床試験を指すが,臨床薬理学の役割は後者においての課題,すなわちヒトや疾患における多様性と時間軸の長さを解決することである.このためには妥当なゲノムバイオマーカーやサロゲートマーカーを確立し,それらを用いた臨床研究の実施を推進しなければならない.また薬効を評価する試験の結果を現実の診療へ橋渡しする研究もひとつのトランスレーショナルリサーチとして今後重視されるべきであり,この分野でも臨床薬理学者の果たすべき役割は大きい.

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© 2010 公益社団法人 日本薬理学会
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