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日本薬理学雑誌
Vol. 141 (2013) No. 2 p. 100-105

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http://doi.org/10.1254/fpj.141.100

新薬紹介総説

モガムリズマブは,世界初のCCケモカイン受容体4(CCR4)を標的とした抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性により抗腫瘍効果を示すヒト化モノクローナル抗体である.また,協和発酵キリン独自のADCC活性を高めるPOTELLIGENT®(ポテリジェント)技術を用いた世界初の抗体医薬品でもある.モガムリズマブは,in vitro試験にて成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者のCCR4陽性の腫瘍細胞に対して,ATL患者由来のエフェクター細胞存在下でADCC活性を示し,また,CCR4陽性のATL細胞を重症複合免疫不全マウスの皮下に移植したin vivo試験でも,対照群に比し,有意な腫瘍増殖抑制作用を示した.国内第I相臨床試験では,CCR4陽性のATL患者ら16名を対象にモガムリズマブ0.01~1.0 mg/kgを週1回,計4回投与した結果,推奨用量は1.0 mg/kgと決定され,本剤の忍容性が確認された.国内第II相臨床試験では,再発・再燃のCCR4陽性のATL患者27名に対し,モガムリズマブ1.0 mg/kgを週1回,計8回投与した.有効性評価対象の26名における総合最良効果は,CR 8名,PR 5名,SD 2名,PD 11名で,奏効率は50%(13/26名)と,本剤の有効性が確認された.26名における無増悪生存期間(PFS)中央値は5.2ヵ月,全生存期間(OS)中央値は13.7ヵ月と良好であった.国内臨床試験の安全性評価対象43名における副作用発現率は100%であった.主な副作用は,リンパ球減少95.3%,注入に伴う反応86.0%,発熱79.1%,白血球減少67.4%,好中球減少55.8%,悪寒55.8%,血小板減少53.2%等であった.一部の副作用では処置が必要であったが,いずれの事象も回復または軽快した.これらの結果を受け,モガムリズマブは,世界に先駆けて「再発又は難治性のCCR4陽性のATL」の適応症にて2012年3月に承認された.

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