日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
新規爪白癬治療薬エフィナコナゾール(クレナフィン®爪外用液10%)の薬理学的特性と臨床試験成績
巽 良之
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2015 年 145 巻 5 号 p. 250-258

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抄録

エフィナコナゾールは,科研製薬株式会社で創出され,2014年7月に製造販売承認を取得した新規トリアゾール系抗真菌薬で,国内初の外用爪白癬治療薬である.本薬は,真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害し,爪真菌症の主要原因菌Trichophyton rubrumおよびTrichophyton mentagrophytesを含む各種真菌種に対して,既存治療薬以上の抗真菌活性と広い抗真菌スペクトラムを示した.また,爪の主成分であるケラチンに対する親和性が既存治療薬よりも低いため,ヒト爪を良好に透過し,ケラチン存在下でも高い抗真菌活性を保持した.さらに,モルモット爪白癬モデルにおいて,エフィナコナゾール液剤の連日爪塗布は,海外市販ネイルラッカー剤に比べて高い爪内生菌数減少効果を示した.In vitroモデルでは,エフィナコナゾール液剤の単回ヒト爪適用は,爪下層や爪甲下の白癬菌に対して高い抗真菌活性を示し,有効濃度の薬剤が爪下層および爪床に到達することが示された.第Ⅰ相臨床試験では,爪白癬患者において高い爪中濃度と爪貯留性が確認され,血中濃度は低かった.二つの第Ⅲ相臨床試験(国際共同治験および海外試験)では,爪白癬に対してそれぞれ17.8%および15.2%の完全治癒率(感染面積0%かつ真菌学的治癒の割合)が得られ,いずれも基剤群との有意差が認められた.また,日本人患者の完全治癒率は28.8%であった.これらの臨床試験成績から,エフィナコナゾール液剤は,爪白癬に対して海外承認の外用剤より高く,イトラコナゾール経口剤とほぼ同等の治療効果を示すと期待される.さらに,血中曝露の低さから,全身性の副作用と薬物相互作用に懸念が少ないと考えられる.以上のことから,エフィナコナゾール液剤(クレナフィン®爪外用液10%)は,今後の爪白癬治療の新たな選択肢になると考えられる.

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