日本薬理学雑誌
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特集:若手研究者が切り拓く,男性泌尿生殖器疾患の最新研究
妊孕性温存法と精原細胞ニッチの再構築法
横西 哲広
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2022 年 157 巻 3 号 p. 168-171

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抄録

がん治療の晩期合併症として不妊症がある.小児がんの治療成績が向上し,がん克服者の寿命がのびた現在では,QOLを低下させる不妊症は大きな問題となっている.生殖腺毒性への姑息的な対応がされてきたが,卵巣組織凍結保存の自家移植による挙児の成功から,女性の妊孕性の温存法は確立されつつある.その一方で,男性の妊孕性の温存法として,精液凍結保存があるが,性成熟した男性患者にしか適応はない.若年の男性がん患児の妊孕性の温存法として,精巣組織や精巣細胞を用いて,精原細胞から精子まで分化誘導する基礎研究が行われてきた.さらに近年では,マウスやヒトの多能性幹細胞から生殖細胞を分化誘導するなどの飛躍的な発展を遂げている.本文では,これまでの性未成熟な精巣検体からの精子形成誘導の試みと,新たな可能性としての精原細胞ニッチの再構築法を紹介する.

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