日本薬理学雑誌
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選択的セロトニン3受容体拮抗薬Y-25130のラット腸液分泌に及ぼす影響
大江 真弓浅野 潔芳賀 慶一郎瀬戸口 通英
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1993 年 101 巻 5 号 p. 299-307

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抄録

選択的セロトニン3受容体拮抗薬Y-25130のセロトニンおよびコレラ毒素誘発腸液分泌に対する作用をラット空腸を用いて検討し,以下の成績を得た.1)セロトニン(1~10μg/min腸間膜動脈内持続注入)は用量依存的に腸液分泌を増加させた.2)セロトニン(3μg/min)で誘発した腸液分泌に対して,Y-25130(0.01~1mg/kg,i.v.)は用量依存的な抑制作用を示した.同じくセロトニン3受容体拮抗薬であるグラニセトロンおよびオンダンセトロンも同様に抑制作用を示した.3)メチサージャイドは抑制作用を示さず,アトロピンおよびテトロドトキシンも影響を及ぼさなかった.4)コレラ毒素(1~10μg/2ml空腸ループ内留置)は強い腸液分泌亢進作用を示した.5)コレラ毒素(3μg/2ml)誘発腸液分泌に対してY-25130は1mg/kg,i.v.で抑制作用を示した.グラニセトロンは抑制作用を,オンダンセトロンは抑制傾向を示した.6)メチサージャイド,アトロピンおよびテトロドトキシンは影響を及ぼさなかった.以上の成績から,セロトニンはセロトニン3受容体に作用して腸液分泌を亢進し,コレラ毒素は少なくとも一部はセロトニン3受容体を介して腸液分泌を亢進していると推察される.セロトニン3受容体拮抗薬であるY-25130はセロトニンおよびコレラ毒素誘発腸液分泌のいずれをも抑制し,臨床における分泌性下痢疾患に対する有用性が期待される.

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