日本薬理学雑誌
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新規カルシウム拮抗薬Ro40-5967のラット腸間膜動脈灌流標本における血管拡張作用
佐藤 靖子渡辺 寛檜森 憲夫
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1995 年 105 巻 3 号 p. 171-176

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抄録

non-dihydropyridine誘導体である新規カルシウム拮抗薬Ro40-5967の血管拡張作用をラット腸間膜動脈灌流標本を用いて検討した.Ro40-5967 10-6Mとニフェジピン10-7MはKCl(20,40,60μmol)による一過性の血管収縮を同程度抑制した,Ro40-5967(10-6M)はノルエピネフリン(200,300,400ng)投与および経壁電気刺激(4,8,10Hz)による一過性の血管収縮反応を有意に抑制した.これに対しニフェジピン10-7Mでは有意な抑制作用は認められなかった.ノルエピネフリン(200,300,400ng)および経壁電気刺激(4,8,10Hz)による血管収縮反応はエンドセリン-1 10-10Mによって著明に増強された.この増強反応に対してRo40-5967 10-6Mはこれを完全に抑制した.これに対しニフェジピン10-7Mは抑制作用を示さなかった.Ro40-5967はラット腸間膜動脈灌流標本において同程度のKCl収縮抑制を示す濃度を用いた場合,ニフェジピンと比べてノルエピネフリン投与,経壁電気刺激およびそれらのエンドセリン-1による収縮増強反応に対し強い抑制作用を示した.

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