日本薬理学雑誌
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悪性腫瘍による高カルシウム血症モデルマウスに対するエルカトニンの血漿カルシウム低下作用
磯谷 幸宏堀 正幸
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1995 年 105 巻 4 号 p. 199-208

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抄録

悪性腫瘍に起因する体液性因子を介した高カルシウム血症(HHM)に及ぽすカルシトニンの作用を明らかにするために,FA-6膵癌細胞を皮下に移植した高カルシウム血症ヌードマウスと副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の持続注入による高カルシウム血症マウスを用いて,ウナギカルシトニンの合成誘導体であるエルカトニンの作用を検討した.その結果,エルカトニンはいずれの高カルシウム血症モデルにおいても強い血漿カルシウム低下作用を示した.その作用は投与後2時間で最大となり,投与後24時間では消失した.FA-6担癌マウスでエルカトニン単回投与の用量依存性について検討したところ,1~2時間後の血漿力ルシウム低下作用は投与量の増加に伴い強くなった.次に,FA-6担癌マウスでエルカトニン連続投与の効果について検討したところ,エルカトニンの血漿力ルシウム低下作用は5日間連続投与しても認められた.また,その作用は用いた担癌マウスの血漿カルシウム濃度の上昇に比例して強くなることが示唆された.以上のことから,エルカトニンはFA-6担癌マウスのような急激で重度の高カルシウム血症を発症するモデルにおいても即効性の血漿力ルシウム低下作用を示すこと,その作用は血漿力ルシウム濃度の上昇に依存して強くなること,またHHMの原因物質であると考えられているPTHrPによる高カルシウム血症モデルでも血漿力ルシウム低下作用を示すことが明らかとなった.

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