日本薬理学雑誌
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ラットのジメチルニトロサミン誘発急性肝障害に対するプロスタグランジンE1・α-シクロデキストリン包接化合物(PGE1·CD)の抑制効果
鈴木 昭彦萩野 政一郎安田 尚弘佐川 健二手良脇 臣也小川 幹男近藤 規元浜中 信行田中 雅治阿瀬 善也愛下 秀毅
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1995 年 105 巻 4 号 p. 221-229

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抄録

ラットに類洞内凝固を伴うジメチルニトロサミン(DMN)誘発急性肝障害を作製し,この肝障害に対するプロスタグランジンE1・α-シクロデキストリン包接化合物(PGE1・CD)の効果を血液生化学的ならびに病理組織学的に検討した.PGE1・CDをDMN肝障害惹起前30分から惹起後24時間まで(前投与),あるいはDMN肝障害惹起後30分および4時間から惹起後24時間まで(後投与)静脈内持続投与した.前投与において,PGE1・CDは0.2~2μg/kg/minの用量でDMN肝障害に伴う血小板数の減少および血液生化学的パラメーター(PT,HPT,GOT,GPT,LDH,LAP,T-Bil)の上昇を用量依存的に抑制し,病理組織学的変化(出血,壊死)を0.5μg/kg/min以上で抑制した.また,PGE1・CDは後投与においても2μg/kg/minで肝障害抑制作用を示した.PGE1・CD2μg/kg/minの前投与は肝実質細胞障害を抑制したのみならず,類洞内皮細胞障害,ライソゾーム膜障害および血中過酸化脂質量の上昇をいずれも抑制した.さらに,PGE1・CDはDMN肝障害でみられる肝組織血流量の低下を1μg/kg/min以上の用量で抑制した.以上の結果から,PGE1・CDはDMN誘発急性肝障害に対して有効であり,臨床において類洞内凝固を有する劇症肝炎などの重症肝炎の治療に有用となることが期待される.

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