日本薬理学雑誌
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新規抗潰瘍薬FRG-8813のヒスタミンH2受容体拮抗作用
稲葉 二朗柴田 昌裕小野寺 禎良田中 正人鈴木 高尾山浦 哲明大西 治夫
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1995 年 105 巻 4 号 p. 231-241

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抄録

新規抗潰瘍薬FRG-8813((±)-2-(furfurylsulfiny1)-N-[4-[4-(piperidinomethy1)-2-pyridyl]oxy-(Z)-2-butenyl]acetamide)のヒスタミンH2受容体拮抗(H2受容体拮抗)作用についてモルモット右心房,胃粘膜単離細胞および脳膜標本を用いて検討した.ヒスタミンによる右心房陽性変時反応に対し,FRG-8813は最大反応を抑制する非競合的な拮抗作用を示した.その作用は処置時間に依存して効力が増大した.シメチジンは競合拮抗を示した.ファモチジンはFRG-8813同様非競合拮抗であったが,程度は小さいものであった.10分間前処置条件でのIC50値の比較では,FRG-8813はファモチジンの約2倍.シメチジンの約50倍の効力を示した.作用時間はファモチジン,シメチジンに比べ持続的であったが,その作用は可逆的であった.ヒスタミンによる胃粘膜単離細胞の[14C]アミノピリン取り込み反応に対し,FRG-8813,ファモチジンおよびシメチジンとも濃度依存的に反応を抑制した.シルドプロット解析よりFRG-8813,ファモチジンは傾きが各々1.56,1.40であり,シメチジンは1.07であった.IC50値の比較では,FRG-8813はファモチジンの約L5倍,シメチジンの約40倍の効力を示した.FRG-8813はべサネコールおよびジブチリル3',5'-サイクリック-リン酸(dbcAMP)による[14C]アミノピリン取り込みには影響を示さずH2受容体に選択的であることが示された.大脳皮質膜標本における[3H]チオチジン結合阻害実験では,Ki値よりFRG-8813はファモチジンの約2倍,シメチジンの約80倍H2受容体に強い親和性を有することが示された.以上より,FRG-8813は,選択的且つ非競合的なH2受容体拮抗作用を有し,その作用は時間依存的に増強され,長時間に亘り持続するが可逆的であること,また,効力はファモチジンの約2倍,シメチジンの約40~80倍である強力なH2受容体拮抗薬であることが明らかとなった.

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