日本薬理学雑誌
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低拍出量型急性心不全モデルにおけるカルペリチドの心不全改善作用―心血行動態および神経・体液性因子に対する作用―
日高 寿範古谷 真優美谷 吉弘大野 知親
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1995 年 105 巻 4 号 p. 243-261

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抄録

容量負荷,左冠状動脈結紮およびメトキサミン持続静注により作製した低拍出量型急性心不全モデル犬を用いてカルペリチド(α-human atrial natriuretic peptide)の心血行動態,利尿作用および神経・体液性因子に対する作用について検討した.カルペリチド(0.1~1μg/kg/min)の静脈内持続投与(30分間)により,平均肺動脈圧,右房圧および全身血管抵抗は低下し,心拍出量は増加したが,血圧,心拍数は殆ど変化しなかった.これらの作用はニトログリセリン(3μg/kg/min,30分間持続静注)の作用とほぼ同程度であった.このモデルにおいては,無尿例が多かったが,無尿例でもカルペリチドの投与により利尿作用が発現した.一方,ニトログリセリンでは利尿作用は認められなかった.血漿中サイクリックGMP濃度は心不全誘発後約3倍上昇し,カルペリチド(1μg/kg/min)の投与によりさらに上昇したが,血漿中レニン活性,血漿中アルドステロン濃度および血漿中ノルアドレナリン濃度には影響を及ぼさなかった.以上の結果より,本モデルにおいて,カルペリチドはサイクリックGMP産生充進に基づく末梢動静脈拡張作用により前負荷および後負荷を軽減させて急性心不全時の血行動態を改善させるものと考えられた.

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