日本薬理学雑誌
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インドメタシンによるラット治癒遷延化酢酸潰瘍モデル作製における新しい試み
田中 衛加藤 義則川島 英敏
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1997 年 110 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

ラット酢酸胃潰瘍モデルにインドメタシン(IND)を浸透圧ポンプを用いて持続投与することにより新しい遷延化モデルの作製を試み以下のことが明らかになった.(1)胃潰瘍面積において,4週後では有意(P<0.05)な治癒遷延化が認められた.(2)本モデルの血中IND濃度は,2週後L87±0.13,3週後2.43±0.16,4週目0.74±0.26(μg/ml)であったことから,浸透圧ポンプからのINDの放出は3週後までは安定しているものと思われた.(3)2週後における胃粘膜中のPGE2含量は,IND(-)群とIND(+)群の間には差はなかった.これに対し3週後ではIND(-)群は576.6±83.9pg/mgであるのに対しIND(+)群では355.6±34.7pg/mgと両群間に有意差(P<0.05)を認め,IND(+)群でPGE2の生成が抑制されていた.(4)本モデルにおける各種抗潰瘍剤の反応性を,臨床用量比で比較すると,PGE2製剤が最も強く,次にプロトンポンプインヒビターおよびH2ブロッカーで,防御系抗潰瘍剤の作用は弱くでる傾向がみられたが,今回用いたいずれの抗潰瘍剤の薬効も評価可能であった.以上のことから,INDによるラット治癒遷延化酢酸潰瘍モデルの作製方法において,浸透圧ポンプを用いてのINDの持続投与は有用な方法であり,本モデルは抗潰瘍剤の薬効評価に有用なモデルと考えられる.

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