日本薬理学雑誌
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肝障害ラットの骨粗鬆症モデルに対するカルシトリオールおよびアルファカルシドールの作用
山西 充洋石橋 祐二栗山 和彦建入 徳栄草嶋 久生児島 英介百々 研次郎
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1999 年 113 巻 1 号 p. 55-64

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抄録

肝機能が低下した骨粗鬆症患者でのカルシトリオールの有用性を調べる目的で,四塩化炭素(CCl4)により肝障害を併発させた卵巣摘出加齢ラット(OVX+CCI4)を用い,カルシトリオールおよびアルファカルシドールの骨粗鬆症モデルに対する作用を検討した.OVX+CCl4ラットにおいて,血清中GOT,GPT,アルカリホスファターゼおよび総ビリルビン量の上昇並びに肝チトクローム依存性酵素(P-450およびb5)活性の低下が認められた.カルシトリオール0.1および0.2μg/kgは,卵巣摘出3週間後から51日間の経ロ投与により血中力ルシウム濃度の低下を改善し,その効力は同用量のアルファカルシドールよりも強かった.また,両薬物とも大腿骨のカルシウム含量の減少を共に改善する傾向を示した.カルシトリオール0.2μg/kgは,アルファカルシドールと異なり乾燥重量/容積もしくは灰化重量/容積から求めた骨密度の低下を改善した.また,軟X線フィルム画像解析により算出した骨密度の低下に対しても,両薬物とも0.2μg/kgで大腿骨遠位端から0.18(全長を1)位の密度を改善する傾向を示した.OVX+CCI4ラットの骨破断時最大荷重を指標とした大腿骨の強度には,偽手術ラットとの間に変化は認められなかった.カルシトリオール02μg/kg最終投与3時間後の血中カルシトリオール濃度は対照群に比べ上昇したが,アルファカルシドール0.2μg/kgには上昇は認められなかった.また,カルシトリオールによる血中および大腿骨カルシウム含量並びに骨密度に対する改善効果と血中カルシトリオール濃度との間に相関性が認められた.以上のことから,カルシトリオールはアルファカルシドールとは異なり,肝機能が低下した骨粗鬆症患者において治療効果が期待できるものと推察された.

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