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日本薬理学雑誌
Vol. 115 (2000) No. 4 P 193-200

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http://doi.org/10.1254/fpj.115.193


ケモカインは白血球走化活性化作用を有し,炎症反応あるいは免疫反応のメディエーターとしてその機能や発現調節の研究が精力的に進められてきている一群の生理活性ペプチドであるが,近年,脳内においてもケモカインが種々の神経変性疾患の病態形成において重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある.また,数種のケモカイン受容体がエイズウイルスHIVの感染に必須であることが報告されたことにより,エイズ脳症における脳内ケモカイン系の役割にも注目が集まっている.本総説では,多発性硬化症,アルツハイマー病,虚血性脳細胞障害およびエイズ脳症での脳内ケモカインの発現と役割に関して,筆者らの研究成果も含めてこれまでに報告されている知見をまとめ,加えて,現在まで40種類以上が同定されているケモカイン類のうちで唯一の膜結合型タンパク質であり脳内では神経細胞で構成的に発現しているフラクタルカインに関する筆者らの研究成果を紹介し,脳内ケモカインが担う細胞間情報伝達物質としての役割を考察し,今後の研究を展望する.

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