日本薬理学雑誌
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Strychninの摘出子宮に及す作用機轉に就て
佐藤 齊
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1944 年 41 巻 3 号 p. 233-235

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抄録

Schlesinger1) がStrychninを家兎に與へて子宮の著明なる牧縮を目撃したる以來, 本物質が子宮に促進的作用を有することは多數の追試者によりて確認せられたるところなり.然るにKehrer2), 山口3) 等の實驗によれば本物質は白鼠, 家兎, 猫等の摘出子宮にも興奮作用を呈するを以て, 生體内子宮に現はるる興奮現象の成因は, 少くとも一は末稍性なること疑を容れす.而して該末稍作用の機轉に關しては, 山口及び高月4) はAtropinが該現象を阻止せざるの故を以て子宮筋自己の興奮にありとし, 郭5) 及び伊庭5) はErgotoxinが之を減溺するの故を以て筋並に交感神經促進性繊維末端の興奮にありとなすが如し.然れども本物質は他の平滑筋臟器, 例へば胃腸に於ては周知の如く自働中樞を興奮し, 筋又は主宰神經末端を興奮する性を有せざることに想到すれば, 本物質は子宮に於てのみ筋又は主宰神經末端を興奮すべしとは直に贊する能はざるところにして, 寧ろ消化器に於けるが如く其の自働中樞を興奮するにあらざるかを惟はしむ, 依て余は此の問題を解決せんが爲本實驗を行ひたり.

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