1969 年 65 巻 5 号 p. 518-528
ウサギの呼吸振巾,呼吸数,血圧,心拍数および心電図上の変化を示標として,アドレナリン,アセチルコリン,ベラトリン,ピロカルピン,ヒスタミンおよびバリウムの作用を,無麻酔で観察したのち,エーテル,フローセンあるいはサイクロプロペインをそれぞれ適用して,上記の薬物の作用を比較した.
これら自律神経薬が無麻酔時と同じ反応を示したのは,若干の例外を除くと,エーテルおよびサイクロプロペインの浅麻酔下におけるこれら薬物による血圧変動であった.そのほかの大部分の反応は,これらの麻酔薬で抑制されるが, AdrおよびBaによる昇圧の激化および呼吸数の増加が散発的に現われ,これの一部は反射の増強,一部は麻酔薬による内因性カテコールアミン遊離を思わせた.