1973 年 69 巻 2 号 p. 335-341
1. Carbachol (Cab 10-5~10-4M), succinylcholine (SCh 10-6~10-3), K+, caffeineはカエルの縫工筋の酸素消費量を増加させる.
2. Nestigmine処理筋にAChを添加すると酸素消費量の増加がみられる. Physostigmine処理筋では増加がみられない.
3. Physostigmine処理筋ではK, caffeine添加による酸素消費量の増加(K効果, Caffeine効果)が抑制される.
4. d-Tubocurarine処理筋は, Cab, SChによる酸素消費量の増加はみられず, K効果, Caffeine効果も抑制がみられる.
5. Mylaxen処理筋にSChを添加すると, SChを正常筋に添加した時に比べ酸素消費量増加の持続時間の延長がみられる.
6. SCh, ACh処理筋にK, caffeineを添加しても酸素消費量の増加は,正常筋と同様に観察される.
以上の結果より,カエルの骨格筋は,一定の膜の興奮のさい酸素消費量の増加がみられ, K効果などで得られた興奮代謝関連機構が生理的に存在する可能性が示唆される.ただ膜の興奮性が単に膜電位変化の結果ではなく,膜の構造性とより関係があるように考えられる.