日本薬理学雑誌
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イヌにおける経口投与硫酸銅による嘔吐の再現性について
萱嶋 憲保吐山 豊秋
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71 巻 (1975) 2 号 p. 169-173

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抄録

イヌにおける反射性嘔吐に対する制吐剤の評価方法を確立するためにこの実験を行なった.12頭のイヌに対し硫酸銅の経口投与による嘔吐閾値量を求め,毎週1回ずつ閾値量の硫酸銅を投与した.途中で閾値の上昇したと思われる1例を途く11例で,通算78回の投与により嘔吐したのは68回で,再現率は82%であった.この実験結果から,次の実験方法によって制吐剤の評価を試験するのが適切であると考えられる.1)10kg前後(7~14kg)のイヌを一定条件で飼育し,健康であることを確認しながら1週間に1回ずつ嘔吐実験を実施する。2)嘔吐閾値は硫酸銅20,40,80mg/headの3段階で測定し,80mg/headで嘔吐しないもの,潜伏期が5分以内または45分以上のイヌは除外する.3)制吐剤等の効果を検討する場合には5例以上の例数が必要と思われる.もし閾値量硫酸銅による嘔吐が50%以上抑制されれば有効と判定し得る.4)潜伏期の大幅な延長は抑制効果の1つとみることが出来るが,嘔吐回数の減少は指標にならない.5)制吐剤の実験で抑制が見られた場合は,その後再び閾値量硫酸銅単独による試験が必要で,もし2回以上続けて嘔吐しない場合は例数から除外すべきである.

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