日本薬理学雑誌
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クマ笹の薬理学的研究(第2報)クマ笹水可溶分画(Folin)の中枢抑制作用および毒物解毒作用
柴田 丸久保 恭子小野田 真
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1976 年 72 巻 5 号 p. 531-541

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抄録
クマ笹Sasa albomargixiata MAKINO et SHIBATAの乾燥葉の熱水可溶分画(Folin)の中枢作用および毒物解毒作用を検討し,次の結果を得た.鎮静作用の検索から,Folinの経口投与でcaffeineに対する拮抗作用およびhexobarbital催眠延長傾向がみられたが,reserpine眼険下垂試験,Grip strength testおよび遊泳試験においては効果を示さなかった.Folinの経口投与はなんらの抗痙攣作用を示さなかったが,Folin 1g/kgの大量腹腔内投与では鎮咳作用がみとめられた。HgCl2,NaAsO2あるいはCdSO4・8H2OとFolinの混合液の経口投与で明らかな死亡率の減少が,またtetrodotoxin(TTD)とFolinの混合液の経口投与で急性症状の改善と延命効果がみとめられた.しかし上記無機毒物に対するFolinの予防効果,および無機毒物とFolinの交互投与試験においてはなんらの解毒作用もみられなかった.Folinを経口投与後TTDを腹腔内投与しても,同様に解毒作用はみられなかった.さらにFolinの消化器系に対する作用として,ストレス潰瘍の抑制および幽門結紮-aspirin潰瘍作成時のacid outputの増加がみとめられたが,生体胃運動,潟下または肛門潰瘍試験においては著変を示さなかった.またFolinの経口投与は熱傷浮腫抑制作用および利尿傾向を示した.
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