日本薬理学雑誌
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2-(4-Benzyl-piperidino)-1-(4-hydroxyphenyl)-1-propano1(Ifenprodi1)の連続投与によるその薬理作用におよぼす影響
水沢 英甫永瀬 毅藤原 寛酒井 賢榊原 栄一
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1977 年 73 巻 5 号 p. 517-526

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抄録

Sprague-Dawley系雄性ラットにifenprodil 50および200mg/kg/dayを5~30日間連続経口投与し,その期間ifenprodilの薬理作用を検討して次の結果を得た.1)Ifenprodil 200mg/kg/dayの連続投与によりラット体重増加は軽度抑制された.Ifenprodil 50および200mg/kg/day投与によつて,用量に応じた運動量減少,筋弛緩,眼瞼下垂および唾液分泌の症状が発現し,これら症状は連続投与により減弱した.2)Ifenprodil 50および200mg/kg/day p.o.による無麻酔ラットの収縮期圧下降作用は連続投与によって変化しなかったが,降圧に伴う反射性頻脈作用は50mg/kg/day投与群で減弱した.3)30日間投与後のα-chloralose麻酔ラットにおけるifenprodil 2.5~1,000μ9/kg i.v.の降圧作用およびnoradrenaline昇圧作用は各連続投与群間で差は認められず,また,ifenprodil 250μg/kg i.v.のnoradrenaline昇圧抑制作用も連続投与によって変らなかった.4)30日間投与後のラット摘出大動脈標本においてnoradrenaline収縮作用のED50はifenprodil投与群で減少する傾向}こあったが,noradrenaline収縮に対するifenprodilの拮抗程度は連続投与によって変化しなかつた.5)Ifenprodil 50および200mg/kglday投与によって体温は著明に下降し,この体温下降作用は連続投与により減弱した.6)Ifenprodil 50および200mg/kg/day投与により大脳皮質,脳幹部,心臓および大動脈のnoradrcnaline量は用量に応じて減少し,連続投与の間も同様にみられた.また,全脳noradrenalineおよびdopamine量も減少したが,脳serotonin量はifenprodlによって変化しなかった.7)α-Methyl-p-tyrosine処置ラットの摘出視床下部のnoradrenaline取込みはifenprdil 10-6~10-4M処置により20~96%抑制された.8)以上の結果より,ifenprodilを連続投与しても同薬物の降圧作用,α-アドレナリン遮断作用よぴnoradrenaline減少作用は減弱されないことが結論される.

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