日本薬理学雑誌
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Bromhexine 処置による気管杯細胞,気管腺の組織学的,組織化学的変化
柳浦 才三武田 弘志西村 友男三澤 美和
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1981 年 77 巻 6 号 p. 559-568

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抄録

去疾薬 bromhexine の有効性およびその作用機序追求を目的として,気管杯細胞,気管腺の分泌機能に及ぼす影響およびこれら分泌細胞含有糖蛋白(GP)動態に及ぼす影響について組織学的,組織化学的面から検討を行なった.雄性雑犬の摘出気管を Hanks 液中で bromhexine(10-7~10-4M)30分間処置した.薬物処置後,固定し,光顕用組織標本を作製した.作製した気管組織標本を alcian blue(pH2.5)-pcriodic acid Schiff[AB(pH 2.5)/PAS]染色,AB(pH 1.0)/PAS 染色の2重染色を施し,150倍の顕微鏡写真にした.これを組織学的・組織化学的指標に従い解析を行なった.杯細胞および気管腺の分泌機能に及ぼす影響:染色陽性総杯細胞数の変化は認められなかった.一方,bromhexine 高濃度処置により,気管腺腺房の内径および acinar inner diameter to wall rado(AIWR)の増加,腺房の厚さの濃度に依存した減少が認められた.また, Reid index の軽度な増加傾向が認められた.杯細胞および気管腺含有 GP 動態に及ぼす影響:酸性糖蛋白(AGP)含有杯細胞数は bromhexine の濃度に依存した減少が認められ,これに伴い中性糖蛋白(NGP)含有杯細胞数の著明な増加が認められた.また,AGP の中の硫酸化糖蛋白(SGP)含有杯細胞数の濃度に依存した減少も認められた.気管腺においても,AGP およびSGP 含有気管腺腺房細胞数の減少,これに伴い NGP 含有気管腺腺房細胞数の著明な増加が認められた.インキュベーション液中の総糖質,N-acetylhexosamine および蛋白質濃度の変化: bromhexine 高濃度処置により,総糖質および蛋白質濃度の増加,N-acctylhexosamine 濃度の減少傾向が認められた.以上より,bromhexine は杯細胞の分泌機能には影響を示さず,高濃度で,気管腺の分泌機能を促進する.また,これら分泌細胞含有 AGP を溶解する作用が認められる.

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