1981 年 78 巻 4 号 p. 305-318
急性無麻酔フィストララットを用い,tetragastrin(TG),histamine(Hist)およびcarbachol(Cach)促進分泌に対する urogastrone(UG)の抑制作用を cimetidine(Cime),atropine(Atr),prostaglandin E2(PGE2)および epidermal growth factor(EGF)と比較することにより,UG の作用プロフィルを明らかにすることを試みた.UG の抑制はTG>Cach≥Hist の順で強く,Gime の抑制は Cach>TG≥Hist,Atr および PGE2 の抑制は Cack>TG>Hist,EGF の抑制はTG>Hist≥Cachの順で強かった.最大抑制発現時問は TG および Hist では EGF>Cime>Atr>UG の順に早く,Cach では Cime>EGF=Atr>UG の順であった.迷走神経切断により UG の抑制型は Atr 型に変り,また methacholine(Mech)よりも Cach を強く抑制した.以上の成績から UG と EGF の胃酸分泌抑制作用はCime,Atr,PGE2 よりも gastrin に対して特異性が高いこと,そして UG の作用は Cime,Atr,PGE2 および EGF と異なり遅効性,持続性であることが示唆された.