日本薬理学雑誌
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ラット実験的腎障害の臨床生化学的研究 第2報 β2-Microglobulinの精製,測定法の確立および尿細管障害時における変化
古濱 和久小野寺 威
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1982 年 79 巻 5 号 p. 409-419

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抄録

cephaloridine尿細管障害ラットより塩析,ゲル濾過,イオン交換クロマトグラフィー,zone電気泳動,等電点分画を組み合せてβ2-microglobulin(β2-M)の分離精製を試み,polyacrylamide gel電気泳動,アミノ酸分析および免疫学的手法によりβ2-Mと同定するとともに単一髄確認した.さらに測定法としてradioimmunoassay(RIA)法を確立しラットでの臨床的応用を試みた.gentamicin(GM)20mg/kgおよび80mg/kgの10日間皮下投与により腎障害を誘発させたラットにおいて血清β2-Mは血清尿素窒素,creatinine,尿蛋白,糖,潜血などの腎機能検査に異常が出現する時期に一致して増加した.一方尿β2-Mは腎障害の初期過程から顕著に増加し,障害性の指標となるばかりでなく,病理変化との相関性が高いことが明らかになった.尿β2-Mの測定は生体を傷つけることなく長期間経時的に多数例について行うことが可能であり,量的比較もできることから,障害性の有無 器質的変化の把握ならびに障害部位の推定などのラット尿細管障害解明に有意義であると結論した.

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