日本薬理学雑誌
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α-Methyldopaの血圧下降作用におよぼす中枢モノアミンニューロンの修飾について
丹羽 正美前村 俊一尾崎 正若河野 輝昭藤田 雄三
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1982 年 79 巻 5 号 p. 451-459

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抄録

α-メチルドーパ(α-MDP)の降圧機序と中枢モノアミン作働性ニューロンとの関係を探る目的で実験を展開した.胎生期6-ハイドロキシドーパ(6-OHDP)処置で高血圧自然発症ラット(SHR)の高血圧発症を阻止できなかったが,中枢ノルエピネフリンニューロン(NEニューロン)が選択的に破壊された高血圧ラットを作成し得た.これら胎生期6-OHDP処置SHRに高血圧発症後α-MDP 300mg/kg投与したところ著明に血圧下降が抑制された,この血圧下降の抑制は脊髄でのα-MDPの代謝転換物質であるα-メチルノルエピネフリン(α-MNE)の生成量の低下とよく見合っていた.脊髄内に6-ハイドロキシドーパミン(6-OHDA),5,7-ジハイドロキシトリプタミン(5,7-DHT)を直接投与して脊髄下行性NEニューロンおよびセロトニンニューロン(5-HTニューロン)が選択的に破壊されたラットを作成した.これらのラットの血圧は術後14日目で変化はなかったが,6-OHDA処置群で頻脈傾向,5,7-DHT処置群で徐脈傾向と脈拍数に変化が観察された.脊髄NEニューロン破壊ラットおよび脊髄5-HTニューロン破壊ラットにおけるα-MDP 300mg/kgの効果を観察したところNEニューロン破壊ラットでのみ血圧下降が著明に抑制された.α-MDP投与4時間後の脊髄におけるα-MNEは,このNEニューロン破壊ラットで著明に減少していた.以上の実験からα-MDPの降圧効果発現のためには脊髄NEニューロンへの取り込みおよびα-MNEへの転換に依存していると思われた.α-MDPの5-HTニューロンへの取り込みとα-メチルドーパミンへの転換,脊髄にごく少量検出し得るドーパミンの問題など今後の展開が必要である.

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