日本薬理学雑誌
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非ステロイド抗炎症薬の局所適用についての研究―基礎的検討ならびに局所適用剤としての有用性について―
久木 浩平
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1982 年 79 巻 6 号 p. 461-485

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抄録

indomethacin,diclofenac sodium等の非ステロイド抗炎症薬軟膏を作製し,基礎的検討として,これら軟膏の局所効果と用法的あるいは製剤的要因との関連性について実験手技を含めて試験した.次に応用的検討として,非ステロイド軟膏の効果を非ステロイド剤の経口投与およびステロイド軟膏と比較した。さらに胃腸障害作用や長期塗布による臓器重量への影響についても比較して局所適用剤としての有用性を試験し,最後にいくつかの非ステロイド軟膏の効果を比較した.また,これらの基礎的および応用的検討を通じ,indomethacin製剤について,血中および皮膚内indomethacin量を測定し,薬物動態と効果についても検討を加えた.非ステロイド軟膏の効果は,適用時期,密封療法,塗布回数,塗擦回数および塗布量等の用法用量的要因によって大きな影響を受けた.また,軟膏基剤,配合薬物の粒子径や可溶化,そして薬物濃度等の製剤的要因によっても効果に大きな影響が認められた.非ステロイド軟膏は,carrageenin足蹠浮腫,紫外線紅斑の急性炎症やadjuvant関節炎の慢性炎症に対し,ステロイド軟膏に劣らない効果が認められ紫外線紅斑,adjuvant関節炎では経口投与と同等の効果が認められた.また,ステロイド軟膏の長期塗布で認められた副腎,胸腺重量の減少あるいは非ステロイド剤の経口投与で認められた胃腸障害作用は非ステロイド軟膏では全く認められなかった.そして非ステロイド軟膏の効果は炎症部位の薬物濃度に相関することが認められた.indomethacin,diclofenac sodiumおよびketoprofenの酸性抗炎症薬軟膏には同程度の強い効果が認められ,塩基性抗炎症薬のmepirizole軟膏の効果は弱かった.以上,非ステロイド軟膏には効果および副作用の両面から有用性が認められた.

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