日本薬理学雑誌
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非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬Zomepirac sodiumの鎮痛作用
中村 秀雄石井 勝美今津 千恵子元吉 悟横山 雄一世戸 康弘清水 當尚
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1982 年 79 巻 6 号 p. 493-508

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抄録

zomepirac sodiumの鎮痛作用様式を明らかにする目的で,zomepirac sodiumの鎮痛作用を種々の鎮痛薬と比較検討した.zomepirac sodiumは,他の非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬と同様にマウス尾の熱線刺激(D'Amour-Smith法),ラット尾の機械的圧刺激(Haffner法)およびイヌ歯髄電気刺激による痛み様反応を抑制しなかったが,ラット炎症足および炎症足関節の機械的圧刺激(Randall-Selitto法および硝酸銀関節炎法)およびマウスおよびラットの化学的発痛物質刺激(酢酸およびphenylquinone writhing法)による痛み様反応を強く抑制した.その効力はindomethacinの0.5~1.7倍,diclofenac sodiumの2.1~19倍およびaspirinの48~200倍であった.これらの鎮痛作用におけるzomepirac sodiumの治療係数(LD50/ED50)は6.51~157であり,比較した他の非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬のいずれよりも大であった.一方,codeine phosphate,pentazocineおよび大量のaminopyrineはラット尾の機械的圧刺激およびイヌ歯髄電気刺激による痛み様反応を抑制したが,pentazocineはマウス熱線刺激法では無効であった.zomepirac sodiumはラット酵母発熱およびウサギLPS発熱に対して強い解熱作用を示し,その効力はindomethacinの0.31~2.8倍およびaspirinの50~155倍であった.以上の結果から,zomepirac sodiumは,鎮痛作用様式が中枢性鎮痛薬と相違して非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬に類似すること,および炎症性の痛み様反応ならびに化学的発痛物質刺激によるwrithingに対してindomethacinに匹敵する強い抑制作用を有するが,その治療係数は比較した他の非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬のいずれよりも大であることが結論される.

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