日本薬理学雑誌
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非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬Zomepirac sodiumの抗炎症作用
中村 秀雄横山 雄一元吉 悟世戸 康弘清水 當尚
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1982 年 79 巻 6 号 p. 509-527

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抄録

zomepirac sodiumの急性および亜急性・慢性炎症病態モデルに対する抑制作用を検討し,また,その抗炎症作用機序の解明の手段としてin vitro試験についても検討しzomepirac sodiumのマウス酢酸誘発血管透過性亢進,モルモット紫外線誘発紅斑およびラットcarrageenin誘発足蹠浮腫に対するED50値はそれぞれ0.238mg/kg,6.94mg/kgおよび1.68mg/kg,p.o.であり,その効力はindomethacinよりも強力であった.ラット混合起炎剤誘発足蹠浮腫の初期相(主としてhistamineおよびserotoninによる)には影響することなく後期相を特異的に抑制するとともに,ラットkaolin-carrageenin誘発足蹠浮腫に対して強い治療効果を示した.副腎摘出ラットにおいても抗浮腫作用が認められた.zomepirac sodiumはラットにおいて肉芽腫形成抑制作用を示すとともにadjuvant関節炎に対して予防ならびに治療効果を示した.その効力はindomethacinよりやや弱かった.家兎の腎髄質microsome分画を用いて行ったPGE2生合成に対する50%抑制濃度は6.18μMであり,その強さはindomethacinの約1/3であった.in vitroでのラット赤血球膜安定化作用の強さはindomethacinの約1/11であり,牛血清albuminの熱変性抑制作用の強さはdiclofenac sodiumの約1/2であった.一方,絶食ラットにおける50%胃潰瘍形成用量は58.2mg/kg,p.o.,また,飽食ラットにおける50%腸潰瘍形成用量は16.8mg/kg,p.o.であり,これらはいづれもindomethacinの約1/5の強さであった.従って,zomepirac sodiumの抗炎症作用の発現用量と消化管潰瘍の発現用量との開きはindomethacinよりも明らかに大であった.以上の結果から,zomepirac sodiumは急性および亜急性・慢怪炎症を抑制し,特に炎症過程の第1期および第2期に強い抑制作用を発現すること,さらにその作用機序は多くの酸性の非ステロイド性鎮痛・抗炎症薬に類似することが示唆された.

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