日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
咳嗽反射時における横隔神経遠心性発射活動の計量的解析
柳浦 才三亀井 淳三後藤 和宏細川 友和平森 為雄三澤 美和福原 武彦
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 79 巻 6 号 p. 543-550

詳細
抄録

咳嗽反射の指標として横隔神経活動を用いることの有効性を既に報告した.横隔神経活動は広い帯域の周波数成分から構成されている.しかし,呼吸反射発現時における神経活動を構成する周波数帯域成分毎の計量的解析は行なわれていない.そこで,咳嗽反射時の横隔神経活動について周波数帯域成分毎の計量的解析を行なった.雄性雑犬をpentobarbital-Na麻酔下に用い,頸部で横隔神経を分離切断し,その切断中枢端より横隔神経活動電位を導出した.遮断周波数可変フィルターで帯域濾波した神経活動の種々の周波数帯域成分について小型電算機を用いてパワースペクトル解析を行なった.2~1500Hzの範囲にわたってパワースペクトル解析した緒果,横隔神経活動は100~200Hzの帯域にピークを持つ広い帯域成分を含んでいた.気管分岐部粘膜の器械的刺激により誘発された咳嗽反射時に総パワー値の増大および周波数帯域の拡大が認められた.周波数帯域幅100Hz毎のパワースペクトル解析の結果,咳嗽反射時に各帯域成分のパワー値の増大がみられ,特に2~100Hzの帯域成分のパワー値が他周波数帯域成分に比べ有意に増大した.lobeline(400μg/kg,i.v.)適用では全周波数帯域にわたるパワー値の増大がみられたが,咳喇反射時に認められた2~100Hz帯域の他周波数帯域成分に対する有意な増大は認められなかった.1,1-dimethyl-4-phenylpiperazinium iodide(DMPP)(50μg/kg,i.v.)適用により各周波数帯域成分のパワー値は増大し,低周波数帯域成分が他周波数成分に比べ増大する傾向がみられたが咳喇反射時に認められた有意差はみられなかった.以上のことから,咳嗽反射時の各周波数帯域成分毎のパワー値の変化がlobelineおよびDMPP適用時における変化と異なる事実は中枢性の呼吸興奮および咳嗽反射発現時における中枢内統合過程に差があることを強く示唆する.咳嗽反射の指標として横隔神経活動を用いることの有効性を既に報告した.横隔神経活動は広い帯域の周波数成分から構成されている.しかし,呼吸反射発現時における神経活動を構成する周波数帯域成分毎の計量的解析は行なわれていない.そこで,咳嗽反射時の横隔神経活動について周波数帯域成分毎の計量的解析を行なった.雄性雑犬をpentobarbital-Na麻酔下に用い,頸部で横隔神経を分離切断し,その切断中枢端より横隔神経活動電位を導出した.遮断周波数可変フィルターで帯域濾波した神経活動の種々の周波数帯域成分について小型電算機を用いてパワースペクトル解析を行なった.2~1500Hzの範囲にわたってパワースペクトル解析した緒果,横隔神経活動は100~200Hzの帯域にピークを持つ広い帯域成分を含んでいた.気管分岐部粘膜の器械的刺激により誘発された咳嗽反射時に総パワー値の増大および周波数帯域の拡大が認められた.周波数帯域幅100Hz毎のパワースペクトル解析の結果,咳嗽反射時に各帯域成分のパワー値の増大がみられ,特に2~100Hzの帯域成分のパワー値が他周波数帯域成分に比べ有意に増大した.lobeline(400μg/kg,i.v.)適用では全周波数帯域にわたるパワー値の増大がみられたが,咳喇反射時に認められた2~100Hz帯域の他周波数帯域成分に対する有意な増大は認められなかった.1,1-dimethyl-4-phenylpiperazinium iodide(DMPP)(50μg/kg,i.v.)適用により各周波数帯域成分のパワー値は増大し,低周波数帯域成分が他周波数成分に比べ増大する傾向がみられたが咳喇反射時に認められた有意差はみられなかった.以上のことから,咳嗽反射時の各周波数帯域成分毎のパワー値の変化がlobelineおよびDMPP適用時における変化と異なる事実は中枢性の呼吸興奮および咳嗽反射発現時における中枢内統合過程に差があることを強く示唆する.

著者関連情報
© 社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top