日本薬理学雑誌
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実験的脳虚血に対するVinpocetineの保護作用
垣花 満寿野 正広柴生田 正樹浜條 和弘永岡 明伸
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1982 年 80 巻 3 号 p. 225-229

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抄録

二種の実験的脳虚血モデルを用いvinpocetineの脳虚血保護作用を調べた.脳卒中易発症系高血圧自然発症ラットの両側総頸動脈結紮時にみられる虚血性痙攣発作の発現時間は対照群65±13分,vinpocetine 1mg/kg腹腔内前処置群117±19分であり,vinpocetineは痙攣発現時間を有意に延長した.しかし,vinpocetineの低用量(0.2mg/kg)は有意な作用を示さなかった.一方,正常ラットを用い,両側総頸動脈結紮と体重1%相当量の脱血により作成した脳虚血モデルでは,vinpocetine(5mg/kg,i.p.)は大脳皮質におけるlactate量の増加を有意に抑制し,adenosine triphosphate濃度を有意に増加した.これらの成績から,vinpocetineの脳虚血に対する保護作用が示唆された.

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