新規抗炎症薬suprofen(SPF)の血清アルブミン相互作用をindomethacin(IM)およびketoprofen(KTP)と比較検討した.牛血清アルブミン(BSA)との結合に基づく紫外部差スペクトル法による結合定数はSPFとIMは同等であり,KTPはやや小さかった.BSA熱変性抑制作用はこの結合定数の差をよく反映していた.BSAのトリプトファン蛍光に対しIMが最も強い消光を示し,ついでSPFでありKTPは弱かった.アゾ色素HABAのBSA結合によるメタクロマジー吸収をIM,SPFは著明に増強した.KTPは弱い増強傾向を示した.他方phenylbutazoneはこの吸収を強く抑制した.人血清アルブミン(HSA)に対しSPFはサイトIIのプローグであるdansylprolineの結合のみを阻害した・KTPとIMはサイトIプローブのdansylamideおよびサイト豆プローブの両者の結合を阻害した.BSAあるいはHSAにおけるビリルビン結合に対しKTPのみがビリルピン遊離作用を示し,SPF,IMの作用は無視できた.SPFは血清アルブミンに対し強い相互作用を示すがその様式はKTPやphenylbutazoneとは異なると考えられた.