日本薬理学雑誌
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活性酸素と抗炎症薬 Luminol dependent chemiluminescenceによる測定
壬生 寛之長谷川 順一丹羽 雅之野崎 正勝鶴見 介登藤村 一
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1984 年 83 巻 4 号 p. 355-362

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抄録

ラット貧食細胞が貧食時に産生する活性酸素はルミノールと反応することによって光を発する.このchemilumincscence測定法と従来より用いられているLDH-NADH法による活性酸素測定法とを比較するとともに,非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の影響を検討した.腹腔および胸腔内滲出細胞はザイモザン貧食時に強いluminol dependent chemiluminescence(CL)を発したが,全血利用の場合は極めて弱いものであった.スーパーオキサイドジスムターゼ,カタラーゼ,NaN3およびL-ascorbic acidはCL法と正DH-NADH法ではかなり異なる抑制作用を示し,測定する活性酸素種に違いがあると考えられた.しかしNSAIDは両方法ともBW755Cをのぞいて弱い抑制作用しか認められないという点で一致していた.ex vivoにおいてもNSAIDはBW755Cをのぞいて全く影響はなく,in vitroでの弱い抑制作用は細胞膜に対する非特異的な膜安定化による貧食機能の低下によるものと考えられた.またCL法は全血を用いても測定可能であり,貧食細胞が産生するスーパーオキサイドおよびその代謝産物を含む活性酸素全体の把握または細胞機能の測定には,簡単で極めて有用な試験法になり得ることが示唆された.

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