日本薬理学雑誌
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TRH類縁体(DN-1417)の電撃痙攣における抗Reserpine作用
永井 康雄成実 重彦佐治 美昭名川 雄児
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1985 年 85 巻 4 号 p. 221-230

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抄録

DN-1417(γ-butyrolactone-γ-carbollyl-L-histidyl-L-prolinamide citrate)の電撃痙攣における抗reserpine作用およびそのモノアミン系の関与について,マウスを用いて検討した.その結果,reserpine 2 mg/kg,腹腔内24時間前処置により,脳内モノアミンの著明な低下と共に,電撃痙攣閾値(EC50)は対照の55~77%まで著明に低下した.これに対し,DN-1417はTRHより強力かつ持続的な拮抗作用を示すと同時に,serotonin(5-HT),3-methoxy-4-hydroxyphenyl-glycol(MHPG),homovanillic acid(HVA)および5-hydroxyindoleacetic acid(5-HIAA)含量を増加させた.EC50におけるDN-1417の抗reserpine作用は,phenoxybenzamine(α-受容体遮断剤,10 mg/kg, i.p.),pimozide(dopamine受容体遮断剤,1 mg/kg, i.p.)およびmethysergide(5-HT受容体遮断剤,25 mg/kg, i.p.)の様なモノアミン受容体遮断剤によって部分的に抑制されたが,atropine(5 mg/kg, i.p.)やscopolamine(2 mg/kg, i.p.)のような抗コリン作動薬により逆に増強された.一方,α-methyl-p-tyrosine(250 mg/kg, i.p.)やFLA-63(25 mg/kg, i.p.)の様なカテコールアミン生合成阻害剤では影響を受けず,5-HTの生合成阻害剤のP-chlorophenylalanine(200 mg/kg, i.p. 48および24時間前処置)によりほぼ完全に抑制され,またDN-1417の5-HT代謝亢進作用も阻害された.更にreserpineによるEC50の低下は,3,4-dihydroxyphenylalanine(L-DOPA)では回復せず,5-hydroxytryptophan(5-HTP)により著明に回復した.以上の事実から,reserpineによるEC50の低下に対するDN-1417の拮抗作用には,脳内モノアミン特に5-HTの代謝亢進作用が関与していると考えられる.

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