日本薬理学雑誌
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TRH類縁体(DN-1417):静脈内投与後のラットにおける血中濃度および脳内分布
永井 康雄成実 重彦佐治 美昭名川 雄児
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1985 年 85 巻 4 号 p. 231-242

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抄録

thyrotropin-releasing hormone(TRH)の類縁体であるDN-1417(γ-butyrolactone-γ-carbonyl-L-histidy1-L-prolinamide citrate)をラットに静脈内投与し,血中濃度および脳内分布について,ラジオイムノアッセイ法を用いて検討しTRHと比較した.in vitro系における安定性について,DN-1417の脳組織ホモジネートおよび血液中での半減期(t1/2)は27.5分であったが,TRHのt1/2は5~7.5分であり,DN-1417はTRHに較べ比較的安定であった.ラット脳へのマイクロウェーブ照射条件について,TRHは5kW,1.2~1.5秒間の照射で酵素による分解は完全に抑制されたが,DN-1417の分解は完全に抑制されず,非酵素的分解が認められた.DN-1417(0.625,2.5および10 mg/kg)投与後の血中濃度はTRHと同様,見かけ上,two compartment open modelに従うパターンを示した.血中から組織への移行性を示すと考えられているα相の半減期(t1/2α)は3~7分であり,血中からの消失を示すと考えられているβ相の半減期(t1/2β)は15~22分で,いずれもTRHより2~3倍長い値を示した.DN-1417の血中濃度のAUC(area under the curve)はTRHの2.5~6倍大きい値を示した.DN-1417投与後の主代謝物[2-hydroxy-4-carboxybutyryl-L-histidyl-L-prolinamide(DN-COOH)]の血中濃度は低く,DN-1417の1.0%以下の値を示した.DN-1417投与後の脳内への移行性は速やかで,投与後1~2分で最高値に達した.最高濃度を示す時点での脳内への移行率は投与量の0.062~0.163%であった.全脳からのDN-1417の消失の半減期は13~23分であった.DN-1417 2.5 mg/kg投与後の脳内諸部位への分布は,下垂体が最も高い値を示し,次いで側坐核および視床下部で,視床および線条体は低い値を示した.

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