日本薬理学雑誌
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N-(2-Mercapto-2-methylpropanoyl)-L-cysteine(SA96)の薬理学的研究(第4報)
―SA96とその主代謝物N-[2-Methyl-2(methylthio)propanoyl]-L-cysteine(SA679)のヒトγ-Globulin熱変性およびラットAdjuvant関節炎に対する作用―
山内 秀泰林 成光笠松 貞夫須田 浩中田 勝彦笹野 稔磯 正
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1985 年 85 巻 4 号 p. 275-282

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抄録

ヒトγ-globulinのin vitroにおける熱変性に対して,N-(2-mercapto-2-methylpropanoyl)-L-cysteine(SA96)およびその主代謝物であるN-[2-methyl-2-(methylthio)propanoyl]-L-cysteine(SA679)は10-3Mの高濃度で促進作用を示したが,D-pellicillamne(D-Pc)はほとんど影響を与えなかった.しかし,Cu2+(20 μM)によって促進されたヒトγ-globulnの熱変性に対しては,SA96およびSA679はD-Pcと同様抑制作用を示し,その作用はSA96が最も強力であった.また,牛血清albuminのCu2+による熱変性促進作用に対しても,SA96およびSA679はD-Pcよりも強い抑制作用を示した.一方,ラットadjuvant関節炎に対するSA96の効果には投与時期による差が認められた.すなわち,SA96をadjuvant処置日から投与した場合は10 mg/kg (p.o.)の低用量でadjuvant処置足および非処置足の炎症抑制作用や,肝臓,腎臓,副腎等の器官重量,血清Cu濃度において改善効果が認められたが,100 mg/kg(p.o.)の高用量ではadjuvant関節炎抑制効果はほとんど認められなかった,しかし,SA96をadjuvant処置の3日前から投与した場合は,10 mg/kg(p.o.)のみならず100 mg/kg(p.o.)でも.ほぼ同様なadjuvant関節炎抑制効果を示した.また,SA96の主代謝物であるSA679もadjuvant処置3日前から100 mg/kg(p.o.)を投与することによって,adjuvant処置足の一次および二次炎症抑制作用や肝臓重量,血清Cu濃度で改善作用を示したが,adjuvant非処置足の炎症に対しては有意な抑制効果を示さなかった.

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