日本薬理学雑誌
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視床下部性肥満ラットの膵ホルモン分泌に及ぼすMazindolの効果について
宇佐美 勝清野 裕西 重生中原 博池田 正毅松倉 茂井村 裕夫
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1985 年 85 巻 4 号 p. 297-303

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抄録

視床下部性肥満(VMH)ラットに,食欲抑制剤として知られているmazindolを飼料に混合して3週間投与し,インスリン,グルカゴン分泌に及ぼす影響についてin vivoと膵灌流の系を用いて検討した.両側の視床下部腹内側核破壊後,3週間mazindolを含まない普通食を投与すると,VMHラットは,対照のshamラットに比し,著明な肥満を呈した.その後,VMHラット,shamラットを2群に分け,それぞれの一方をmazindol(50 mg/kg)を混合した飼料で飼育し,他方は,そのままの普通食で飼育した.mazindol投与VMH群の摂取カロリーは,mazindol非投与のVMH群に比し著明に減少し,体重増加も有意に抑制された.mazlndol投与3週後の末梢血インスリンは,mazindol投与VMH群で,mazindol非投与VMH群に比し有意に低下し,VMHラットにみられる高インスリン血症が有意に改善された.さらに,膵灌流実験でアルギニンによるインスリン反応を比較すると,mazindol投与VMH群でmazindol非投与VMH群に比し,明らかな低反応を示した.しかし,末梢血ならびに灌流膵よりのグルカゴン分泌は,mazindol投与によって変化しなかった.さらに,shamラットでは,インスリン,グルカゴン反応はin vivo,in vitroともにmazindolによる影響は認められなかった.したがって,mazindo1は,視床下部性肥満の高インスリン血症を改善する可能性を有する.

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