日本薬理学雑誌
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Lormetazepamの行動薬理学的・脳波学的研究
植木 昭和渡辺 繁紀藤原 道弘山本 経之柴田 重信柴田 和彦太田 尚桜井 康子岩崎 克典劉 世玉山下 樹三裕島添 隆雄山路 隆之
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1985 年 86 巻 2 号 p. 145-163

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抄録

マウス,ラット,ウサギを用いてlormetazepamの行動薬理ならびに脳波作用をdiazepam,nitrazepamおよびflurazepamのそれと比較した.1) open-fieldにおけるマウスの自発運動はlormetazepamの大量で抑制された.diazepamも類似の作用を示したがnitrazepamおよびflurazepamは逆にambulationを増加させた.2) methamphetamineの自発運動増加作用はlormetazepam,diazepam,nitrazepamおよびflurazepamによって増強された.3) ラットにおける抗confict作用はlormetazepamが最も強力であった.4) 嗅球摘出ラットおよびraphe破壊ラットいずれのmuricideもlormetazepamによって著明に抑制された.5) lormetazepamはdiazepamやflurazepamと同様にマウスの最大電撃およびpentetrazolけいれんを抑制したが,後者に対する作用がより強力であった.6)マウスにおけるlormetazepamのthiopenta1,etherおよびethanol麻酔増強作用はdiazepamやflurazepamより強力であった.7)rotarod法によるlormetazepamの協調運動障害作用はマウス,ラットいずれにおいてもdiazepamやflurazepamより強力であった.8)マウスのinclined screen法におけるlormetazepamの筋弛緩作用はdiazepamやflurazepamよりはるかに強力であった.9) lormetazepamは慢性電極植込みウサギの脳波を徐波化させ,音刺激,中脳網様体,後部視床下部刺激による脳波覚醒反応や光誘起反応を抑制し,また大脳辺縁系後発射も抑制した.これらの作用はdiazepamとほぼ同程度であった.以上,lormetazepamは質的にはdiazepamやflurazepamに類似した行動薬理学的・脳波学的作用を有するが,その作用は全般的にはdiazepam,nitrazepamおよびflurazepamのいずれよりも強力であった.

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