日本薬理学雑誌
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4-(o-Benzylphenoxy)-N-methylbutylamine hydrochloride (Bifemelane hydrochloride, MCI-2016)のグルコース代謝におよぼす影響
井口 富夫平野 孝明鹿野 章子江川 三生飯田 成宇戸部 昭広
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1985 年 86 巻 6 号 p. 425-431

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抄録

MCI-2016(bifemelane hydrochloride)の脳エネルギー代謝に及ぼす影響を予測する為に,2-deoxy-D-[14C]-glucose([14C]-DG)の正常あるいは低酸素負荷下での脳内取り込み,脳内での[14C]-glucoseからの14CO2産生,ならびに脳局所グルコース利用率(LCGU)に対する作用を検討した.マウス脳への[14C]-DG取り込みはMCI-2016 25 mg/kg, i.p. ならびにCa-hopantenateloomg/kg, i.p. の6日間連投により有意に促進されたが,これらの薬物の単回投与による変化は軽度なものであった.脳内グルコース代謝の指標としての[14C]-glucoseからの14CO2産生はMCI-2016 100 mg/kg, p.o. 6日間投与によりマウス及びラットで,更に,Ca-hopantenate 250 mg/kg, i.p. 連投によりラットで,それぞれ有意に促進された.一方,ラットに低酸素を負荷(O2: 5%)することにより,脳への[14C]-DG取り込みは有意に低下したが,MCI-2016は25~100 mg/kg, p.o.連投(6日間)により,軽度ながらこの取り込み能を改善させた.脳局所グルコース利用率(LCGU)に対しても,MCI-2016は100 mg/kg, p.o. 6日間投与により,皮質視覚野,視床内側核,小脳虫部垂で有意な促進作用を示し,MCI-2016の薬理作用との関連が推測された.以上の検討より,MCI-2016が脳エネルギー代謝系に対し緩和な賦活作用を有することが考えられる.

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