日本薬理学雑誌
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五味子リグナン成分Gomisin A (TJN-101)のラット肝機能におよぼす影響
竹田 茂文新井 一郎長谷川 雅之立木 朱美油田 正樹細谷 英吉
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1988 年 91 巻 4 号 p. 237-244

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抄録

五味子リグナン成分TJN-101(3~100mg/kg/day)を4日間反復経口投与した際の胆汁分泌,肝色素排泄能および肝内循環動態についてphenobarbital(100mg/kg/day)と比較検討した.TJN-101(30,100mg/kg/day)およびphenobarbitalは投与終了24時間後における胆汁流量を増加させた.これらの作用は総胆汁酸濃度の減少を伴っており,胆汁酸非依存性画分の分泌促進に起因すると推測された.投与終了24時間後のBSP負荷試験において,TJN-101(30,100mg/kg/day),phenobarbitalともBSPの血中からの消失ならびに胆汁中への排泄を促進した.肝内循環動態は水素ガスクリアランス法および肝湿・乾重量の測定により検討した.TJN-101およびphenobarbital投与群において,総肝血流量は増加傾向にあったが,肝含水率に著変は認められなかった.これらのことから,両化合物による肝重量増加は肝浮腫を伴っておらず,胆汁分泌や肝色素排泄能の促進といった作用の発現には総肝血流量の増加が関与している可能性が示唆された.

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