日本薬理学雑誌
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新しいβ受容体遮断薬,Bopindolol 及びその代謝産物のβ遮断作用と部分作用薬活性,膜安定化作用について
金 万宝孫 暁東河田 登美枝今井 昭一
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1989 年 94 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

新しい β遮断薬 bopindolol(4-(2-benzoylpxy-3-tert-butylaminopropoxy)-2-methyl-indole hydrogen malonate)及びその代謝産物である 18-502(4-(3-tert-butylamino-2-hydroxypropoxy)-2-methyl indole)及び 20-785(4-(3-tert-butylaminopropoxy)-2-carboxyl indole)の β遮断作用,部分作用薬活性(partial agonist activity),膜安定化作用につき,モルモット摘出心房標本,摘出気管平滑筋標本,中枢破壊ラット(pithed rat)及びモルモット右心室乳頭筋標本を用いて検討した.bopindolol(Bop)の isoproterenol に対する拮抗の強さはモルモット摘出心房標本で propranolol(Prop)の1.1~2.8倍,気管平滑筋標本で14.1倍であり β2受容体に5.6~12.9倍の選択性を示した.一方,18-502のβ遮断作用の強さは Prop の34.7~38.0倍(心房),29倍(気管)とこれまで我々が手がけた化合物の中ではもっとも強力であった(選択性なし).又20-785のそれは Prop の0.5倍(心房)と0.1倍(気管)であった.Bop,18-502及び20-785はいずれも中枢破壊ラットにおいて用量依存的に心拍数を増加させたが,18-502の作用がもっとも強かった.ピークに達するまでの時間を 0.3mg/kgで比べて見ると Bop>18-502 及び20-785であった.作用持続も代謝産物より Bop で長かった.Prop 1mg/kg前処置により心拍数増加は有意に減少した(18-502では抑制は低用量の作用についてのみ).Bop 及び18-502はモルモット右心室乳頭筋標本の細胞膜活動電位 Vmax を有意に抑制しその作用は Prop よりも強かった.以上の結果より Bop,18-502 及び20-785はいずれも部分作用薬活性を持つβ遮断薬である事がわかる.作用発現の早さを考えると Bop は生体内で18-502及び20-785に変化した上でその作用を現わしている可能性があるが,Bop のみがβ2選択性を示すという問題もあり今後の検討が必要であろう.なお,Bop 及び18-502は Prop より強い膜安定化作用を示した.

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