日本薬理学雑誌
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5,8,11,14,17-Eicosapentaenoic acid ethyl ester(EPA-E)の一般薬理作用
佐藤 正巳今田 和則飯田 茂生大橋 清和山口 和夫小雀 浩司澁谷 靖義国広 靖之
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1989 年 94 巻 1 号 p. 35-47

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抄録

5,8,11,14,17-eicosapentaenoic acid ethyl ester(EPA-E)の一般薬理作用を検討した.EPA-E 3,000mg/kg を経口投与(p.o.)しても一般症状,自発運動量,pentobarbital 睡眠ならびに正常および発熱体温に及ぼす影響は認められず,抗痙攣作用,鎮痛作用および筋弛緩作用も認められなかった.また,3,000mg/kg を十二指腸内投与(i.d.)しても,急性自発脳波に及ぼす影響は認められなかった.EPA-E lO-4M の濃度においても,モルモット回腸および気管ならびにラット胃条片および輸精管の筋緊張あるいは各種アゴニストによる収縮に対し,いずれも影響は認められなかった.ウサギ回腸およびラット子宮自動運動に対しても EPA-E の影響は認められなかった.さらに,EPA-E 3,000mg/kg,p.o. あるいは i.d. まで,ネコ瞬膜収縮,マウス腸管輸送能およびラット胃粘膜に及ぼす影響は認められず,抗潰瘍作用も認められなかった.幽門結紮ラットの胃液分泌においては,EPA-E 1,000mg/kg,i.d, まで胃液分泌量,総酸排出量および pepsin 活性に及ぼす影響は認められなかった.一方,3,000mg/kg,i.d. では胃液分泌量および総酸排出量の有意な抑制が認められたが,pepsin 活性に対しては有意な抑制は認められなかった.ラット呼吸,血圧,心拍数および心電図に対しては,EPA-E 3,000mg/kg,i.d, まで影響は認められず,EPA-E 10-4Mの濃度においてもモルモット摘出心房の収縮力および心拍数に及ぼす影響は認められなかった.その他,EPA-E 2.0%をモルモットに皮内投与しても局所麻酔作用および局所刺激作用は認められなかった.また,EPA-E 10-4Mの濃度においても溶血作用は認められなかった.さらに,EPA-E 3,000mg/kg,i.d.あるいはp.o. まで,神経筋伝達,尿および電解質排泄あるいは浮腫形成に及ぼす影響も認められなかった.以上,EPA-Eは中枢神経系,自律神経系,呼吸および循環器系などに対しほとんど影響を及ぼさないものと考えられた.

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