日本薬理学雑誌
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うつ病動物モデルにおける Lisuride の影響並びに抗うつ薬との併用効果
中村 千葉生駒 幸弘木村 貴代仲田 行恵小林 佐和子山口 基徳中川 英彦
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1989 年 94 巻 1 号 p. 81-89

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抄録

強力な中枢 dopamine 及び serotonin 作用を有する麦角アルカロイド誘導体,lisuride の抑うつ状態改善効果についてマウス reserpine 体温下降,嗅球摘出(OB)ラットの muricide 及びラットの強制水泳の3種の実験的動物モデルを用いて desipramine,mianserin 及び rolipram と比較検討した.lisuride(0.5~5.0mg/kg,i.p.)は desipramine,mianserin 同様 reserpine 体温下降に用量依存的に拮抗した.lisuride は OB ラットの muricide を用量依存的(ED50=0.16mg/kg,i.p.)に抑制した.また 0.25mg/kg の lisuride の反復投与により muricide 抑制の増強効果がわずかに認められた.ラットの強制水泳実験においても lisuride(0.05~0.25mg/kg,i.p.)は desipramine 同様用量依存的に無動時間を短縮し,その無動時間短縮作用は haloperidol で拮抗された.また lisuride の無動時間短縮作用は反復投与により運動量増加を伴って増強された.無動時間に影響を与えない低用量(0.025mg/kg,i.p.)の lisuride は desipramine あるいは rolipram との併用によって強制水泳時の無動時間を著しく短縮した.これらの結果より lisuride は他の抗うつ薬と同様抑うつ状態改善に有効であること,また特に低用量の lisuride は併用により desipramine などの抗うつ効果を増強させることが示唆された.

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