日本薬理学雑誌
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オゾンによるイヌの気道反応性亢進に対するOKY-046の作用
南部 文男今井 俊道足立 満高橋 昭三
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1990 年 95 巻 5 号 p. 271-277

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抄録

イヌにオゾンを暴露することにより実験的気道反応性充進モデルを作製し,選択的トロンボキサンA2(TXA2)合成酵素阻害剤であるOKY-046の効果を検討した.3PPmのオゾンをイヌに暴露すると,呼吸抵抗に影響を及ぼすことなくメサコリン(MCh)に対する気道反応性は有意に亢進した.また,ナゾン暴露により気管支肺胞洗浄(BAL)液中の好中球は有意な増加を示したが,気道反応性の充進の程度とは相関を認めなかった.OKY-046は100および300mg/kgの経口投与でオゾンによる気道反応性充進に対し用量依存的かつ有意な抑制作用を示した.また,TXA2類似作用を有するSTA2の吸入は,それ自身では気道収縮を起こさない濃度でMChに対する反応性を充進させた.以上の成績より,ナゾン暴露による気道反応性充進のメヵニズムのひとつとしてTXA2が関与していることが示唆された.

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