日本薬理学雑誌
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ラットにおけるRecombinant human erythropoietin(SNB-5001)の作用発現時間
升永 博明高比良 玲子村瀬 行雄津田 英資沢井 忠則
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1991 年 98 巻 2 号 p. 143-150

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抄録

遺伝子組換え技術により量産されたhuman-erythropoietin(EPO)であるSNB-5001の血漿中濃度推移と作用発現時間についてWistar系雄性ラットを用い検討した.SNB-5001を皮下投与すると,6~7時間で最高血中濃度に達し,48時間でほぼ消失した.生物学的半減期は,静脈内投与より皮下投与のほうが長かった.血清中のEPO生物活性も同様に推移し,免疫化学的に測定した血漿中濃度と高い相関を示したことから,SNB-5001は血液中でも活性を保持したまま組織に移行するものと考えられた.SNB-5001の投与後8時間で血清鉄の減少と不飽和鉄結合能(UIBC)の増加が始まり24時間でピークに達した後,72時間で回復した.総鉄結合能(TIBC)は変化しなかった.網状赤血球は投与後24時間でわずかに増加し,72時間から96時間でピークに達した後,120時間で投与前値とほぼ同じレベルまで低下した.皮下投与後の作用発現時間も静脈内投与とほぼ同様であったことから,吸収過程の比較的速い時点において有効血漿中濃度に達していることが示唆された.

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