日本薬理学雑誌
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新規抗潰瘍剤AS-2646の胃粘膜防御因子に及ぼす作用
河島 勝良近藤 香織越智 喜昭岡 真
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1991 年 98 巻 2 号 p. 73-82

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抄録

胃酸の関与しない胃粘膜損傷モデル,胃粘膜防御因子およびCampylobacter Pylori(C.pylori)に対するAS-2646の効果をラットを用いて検討し,以下の結果を得た.1)AS-2646(5~100mg/kg,p.o.)は,0.4NHCl-50%ethanol(1ml),0.4NHCl-50mM taurocllolate(1ml),1%NH4OH(1ml)およびserotonin(20mg/kg,s.c.)により惹起される全ての胃粘膜損傷に対して用量依存的な抑制効果を示し,ここで用いられた薬剤(cimetidine,pirenzepine,sulpirideおよびprostaglandin E1)の中で最も広い抗胃粘膜損傷作用スペクトルを有していた.2)AS-2646(5~10mg/kg,p.o.)は脱血ストレス負荷あるいはreserpine(10mg/kg,i.p.)投与による胃粘膜血行動態変化と胃粘膜損傷を有意に抑制した.3)AS-2646(2~20mg/kg,p.o.)は寒冷ストレスによる表層胃粘液量の低下およびアスピリン(100mg/kg,p.o.)投与による粘膜hexosamine量の低下を有意に抑制した.4)AS-2646(2~20mg/kg,p.o.)は胃粘膜prostaglandin E2含量に有意な影響を示さなかった.5)AS-2646はC.pyloriに対する抗菌活性(MIC;50~400μg/ml)を示した.以上の結果より,AS-2646は防御因子増強および抗C.pylori作用を有する抗潰瘍・抗胃炎薬として有用であることが示唆された.

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