岩石鉱物鉱床学会誌
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宮城縣月立金礦床の特質
附針之濱金礦床
渡邊 萬次郎
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1941 年 25 巻 2 号 p. 77-87

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抄録
月立金磯床は北上地の南部を構成する中生層中に迸入したる斜長〓岩の不規則岩脈に伴なひ,金の一部は同岩脈の内部一帯に廣く分布し1),一部は之に接する砂岩及び粘板岩の節理に平行なる斷層性擾亂帯に礦染す。
本礦床の或る一部には多量の黄銅礦及び黄鐵礦を伴なへども,その大部分にはそれらの硫化物をも認めず,また何れの部分にも石英脈等を伴なはず,殆んど唯一の特性は,砂岩に於ける特殊雲母の成生と,〓岩中の角閃石が黒雲母の集合に變せることとす。
針之濱金礦床また中生層中を貫ぬく〓岩質岩床の内部一帯に金を礦染せるものなれども,本岩は往々石英の網状脈に貫ぬかれ,且つそのうちの角閃石が緑泥石化し,石基に多量の白雲母を生ずる等,熱水變質の跡著なき點にして,月立礦床と趣を異にす。
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© 日本鉱物科学会
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