岩石鉱物鉱床学会誌
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コスモクロル輝石-透輝石固溶体の結晶化学
高橋 晴夫藤田 武敏
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1979 年 74 巻 1 号 p. 16-26

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抄録
1200°C, 20Kbで合成したKo75 (NaCrSi2O6:75mol%) Di25 (CaMgSi2O6: 25mol%), Ko50 Di50及びKo25Di75の結晶構造をリファインした。Ko-Di系固溶体のM1-M1距離は,重要な意味を含んでいるようである。すなわち, M1-M1距離は, M1サイトを占める陽イオンの平均イオン半径から予想される距離よりも短く,また高圧における不混和域の両側に相当する組成を有する結晶において,もっとも長い。Ko固溶体中のCr+3イオンは,Cr-O-Crカツプリングを形成しており, Di固溶体中のCr+3イオンは完全に無秩序に分布していると思われる。高圧相であるKo75 Di25とKo50 Di50のセル・ボリュームは, Ko, Ko25 Di75及びDiのセル・ボリュームから期待きれる値よりも小さい。Ko75 Di25とKo50 Di50のM1-0距離は, M1サイトを占めている陽イオンの半径から期待きれる距離よりも短い。Ko75 Di25とKo50 Di50の8(M2-0)及び6(M2-0)の平均距離は,Ko, Ko25 Di75及びDiの平均距離から期待される値よりも長い。Ko75 Di25とKo50 Di50の個性的な構造は,高圧下における構造をすくなくとも部分的には示しているであろう。
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