1993 年 88 巻 3 号 p. 121-130
北海道日高変成帯南端部に位置する幌満かんらん岩体中の,金雲母を含むスピネルレルゾライトから, Rb-Sr法を用い23Ma±1.2Maの年代を得た。この年代は,現在までに報告されている日高変成帯の変成岩類の年代中,最も古いものとほぼ一致する。また,この年代は,幌満かんらん岩体がウェッジマントル中にあったときに,交代作用を受けた時期を示していると考えられる。この交代作用は、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの衝突による日高変成帯の上昇に伴い幌満岩体上昇期にマソトル条件下で起きたと考えられる。