2022 年 8 巻 1 号 p. 34-40
本研究では,日本の大学生を対象として欧州で導入されている栄養プロファイル(Nutri-Score)の予測評価,制度導入の賛否について生活習慣やパーソナリティ特性との関係を分析した.先行研究からは栄養プロファイルにより食品への健康面の評価が適切に是正される傾向が示されている.分析の結果は以下3点にまとめられる.第1に接触・摂取頻度が高い食品ほど予想した栄養の評価と栄養プロファイルの誤差が大きいことである.第2に協調性が高い被験者ほど高栄養食品を過少に評価する等パーソナリティ特性による食品評価の違いがみられたことである.第3に栄養プロファイル制度に反対する回答者は活発で行動的であることである.政策的な含意として、栄養プロファイル制度を導入する際にはその内容や目的等につき的確な情報提供が重要であることが示唆された.