2020 年 18 巻 p. 203-212
本稿では,英語・日本語・韓国語を外国語として学習する学習者が言語学習をどのように意味づけているのかを,ビジュアル・データと言葉による記述データにより取り出し,ビジュアル・データと記述データに表現されるものは異なるのか調査した。調査の結果,ビジュアル・データでは,抽象度が高いイメージが描かれる,自分を中心にしたナラティブが描かれる,表情や色調により感情が表現される,一つの現象が表現されるという特徴があるのに対し,文章によるデータでは,具体性がある,社会言説の影響がナラティブに表れる,感情は論理的に説明される,複数の現象が表現されるという特徴が見られた。これらの結果を元に,ビジュアル・データにはどのような可能性があるのか考察し,学習者研究における新たな方法の提案を行った。