2021 年 19 巻 p. 264-280
私たちは,言語文化教育研究学会第5回年次大会のフォーラムにおいて,早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンターが提唱する「体験の言語化」実践の問い直しを行った。本稿は,このフォーラム開催後,フォーラム発表者である私たちがどのように「体験の言語化」を考え,その後の実践の展開をしていったのか,電子メールを用いた往復書簡のやりとりにおけるあらたな「問い直し」と,このやりとり後,約2年間のそれぞれの跡づけを記述するものである。私たち教員の「個人」の学びを社会に拓く試みとして,(1)メールのやりとり(往復書簡),(2)このメールのやりとりを基にした,フォーラム発表後の「体験の言語化」にかかわるそれぞれの展開についての記述,の2つの方法で重層的に省察を行った。