言語文化教育研究
Online ISSN : 2188-9600
ISSN-L : 2188-7802
論文
人文・社会科学系英語学位プログラムの大学院生は自身の言語生活をどう評価するか
PAC(個人別態度構造)分析による当事者評価
野々口 ちとせ
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2021 年 19 巻 p. 95-111

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抄録

近年,大学の国際化により,人文・社会科学系においても英語による学位取得プログラム(English Medium Program:EMP)が増加している。日本の人文・社会科学系EMPで学ぶ学生の多くは英語と日本語(と他言語)の複言語話者である。本研究では,PAC(個人別態度構造)分析を用いて,社会科学系大学院EMPの留学生と人文科学系大学院EMPの帰国学生各1名を対象に,言語生活に対する当事者評価を調査した。結果,両者とも英語での研究生活には満足しているが,日本人学生との交流やアルバイト,就活などでの言語生活に,程度の差こそあれ,不満や抑圧的な態度構造を持っていることが示された。日本社会に閉鎖性・階層性・学歴重視などの風土を感じ取り,2名とも高い複言語能力を持ちながら自分の能力を十全に発揮しているとは言えない現状が描き出された。また,両者とも家族が比較的高い重要度を占めており,母語機能の重要性が確認された。

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